「日本人ならではの奥ゆかしい結婚式がしたい」
「ウェディングドレスも素敵だけど、美しい白無垢や色打掛に憧れる」
そんな思いから、日本の伝統美が詰まった「和婚」に興味を持つカップルが増えています。しかし、いざ和婚について調べ始めると、「神前式って何?」「費用はどれくらい?」「何から準備すればいいの?」と、分からないことだらけで戸惑ってしまう方も多いのではないでしょうか。
この記事では、そんな和婚初心者のあなたのために、和婚の基礎知識から費用、衣装、会場選び、準備の進め方まで、知りたい情報をすべて網羅して徹底解説します。この記事を読めば、あなたにぴったりの和婚スタイルのヒントがきっと見つかるはずです。
和婚とは?挙式の種類と魅力
まずは、和婚がどのような結婚式なのか、その全体像を掴みましょう。和婚にはいくつかの種類があり、それぞれに異なる特徴と魅力があります。
和婚の定義と日本の伝統美
和婚とは、日本の伝統的なスタイルで行う結婚式の総称です。神前式や仏前式、和装で行う人前式などが含まれ、美しい和装を身にまとい、古式ゆかしい儀式を通じて夫婦の誓いを立てます。
和婚の最大の魅力は、なんといってもその奥ゆかしくも華やかな日本の伝統美を体感できること。厳かな雰囲気の中で行われる儀式は、二人の門出をより印象深いものにし、家族との絆を再確認する貴重な機会にもなります。
厳かで神聖な雰囲気
雅楽の生演奏や厳粛な儀式など、洋風の結婚式にはない神聖な空気が流れます。
美しい伝統衣装
白無垢や色打掛、紋付羽織袴など、日本の伝統が育んだ美しい婚礼衣装を身にまとえます。
家族との絆が深まる
両家の結びつきを重んじる儀式が多く、家族と一緒に結婚を祝う一体感を味わえます。
神前式の特徴と儀式の流れ
神前式とは、神社の神殿で、神道の神々に結婚を報告し、末永い幸せを祈願する挙式スタイルです。現在、和婚の中で最も一般的に選ばれています。
神社の神聖な空間で、日本の伝統的な儀式に則って誓いを立てるのが特徴です。
主な儀式の流れ
参進の儀(さんしんのぎ):
斎主・巫女に続いて、新郎新婦、両家の親族が列になって神殿まで歩きます。
三献の儀(さんこんのぎ):
「三三九度」とも呼ばれる、夫婦の永遠の契りを結ぶ儀式です。小・中・大の3つの盃で、新郎新婦がお神酒を酌み交わします。
誓詞奏上(せいしそうじょう):
新郎が夫婦の誓いの言葉である「誓詞」を読み上げ、新婦は自分の名前を述べます。
玉串奉奠(たまぐしほうてん):
玉串(榊の枝)を神前に捧げ、二拝二拍手一拝の作法で拝礼します。
親族盃の儀(しんぞくはいのぎ):
両家の親族全員がお神酒を飲み干し、両家が親族となったことを祝います。
仏前式の特徴と儀式の流れ
仏前式とは、仏様とご先祖様の前で結婚を報告し、来世までの結びつきを誓う挙式スタイルです。主に菩提寺(先祖代々のお墓があるお寺)や、縁のある寺院で行われます。
仏教の教えに基づき、二人が出会えた「縁」に感謝する点に大きな特徴があります。
主な儀式の流れ
念珠授与(ねんじゅじゅよ):
僧侶から新郎新婦へ、お祝いの念珠が授けられます。
司婚の儀(しこんのぎ):
僧侶が仏様とご先祖様に結婚を報告します。
誓いの言葉:
新郎新婦が仏前で夫婦の誓いを述べます。
焼香(しょうこう):
新郎、新婦の順に焼香を行い、ご先祖様に感謝を伝えます。
法話(ほうわ):
僧侶から結婚を祝う法話があります。
和装人前式の特徴と自由なスタイル
和装人前式とは、宗教や形式にとらわれず、列席してくれたゲストに結婚を誓い、承認してもらう挙式スタイルです。和装を着て行いますが、特定の宗教に基づかないため、会場やプログラムを自由に決められるのが最大の魅力です。
神社や寺院ではなく、ホテルや専門式場、レストランなど好きな場所で行えます。オリジナルの誓いの言葉を述べたり、ゲスト参加型の演出を取り入れたりと、二人らしいアットホームな式を挙げたいカップルにおすすめです。
和婚の費用相場と内訳
和婚を検討する上で、最も気になるのが費用ではないでしょうか。ここでは、規模別の費用相場から内訳、節約術まで詳しく解説します。
規模別の費用モデルケース
和婚にかかる費用は、挙式の規模や披露宴の有無によって大きく変動します。
二人だけの挙式の場合
神前式の挙式のみを行う場合、費用相場の平均は 33.1万円で、20~25万円未満と50万円以上の費用がかかった人が多かったようです。挙式内容には、衣装レンタル、着付け、ヘアメイク、写真撮影などが含まれるプランが多く、手軽に和婚(神前式)を実現できます。
家族のみ・少人数での会食の場合
挙式後に家族や親しい友人との会食会を行う場合、費用相場は招待人数×一人当たりの料理+飲み物費用の平均約 23.0万円をを考えておくとよいでしょう。会食の料理・飲み物代の他に会場費などがかかる場合もあります。
披露宴を行う場合
挙式後に披露宴を行う場合、費用相場はゲストの人数にもよりますが平均 374.8万円が平均費用として出ています。挙式・会食の費用に加え、披露宴会場費、演出、引出物などの費用が必要になります。
主な費用の内訳(衣裳・会場・写真・初穂料)
和婚の費用は、主に以下の項目で構成されます。
挙式料(初穂料・玉串料)
神社に納める挙式そのものへの謝礼です。初穂料(はつほりょう)とも呼ばれ、相場は5万円~20万円程度。神社によって金額が明確に定められています。
衣装代
新郎新婦の和装レンタル費用です。白無垢や色打掛は高価なものが多く、20万円~50万円以上かかることもあります。
美容着付け代
着付けとヘアメイクの費用で、5万円~15万円が相場です。新日本髪など特殊な髪型は追加料金がかかる場合があります。
写真・映像撮影代
スナップ撮影や記念撮影、ビデオ撮影の費用です。10万円~30万円程度が目安です。
会場費・飲食代
披露宴や会食を行う場合の費用。料理のコースや人数によって大きく変動します。
参考:ワタベウェディング調べ ※会場によって費用は変わります
和装結婚式の費用を抑える節約術
憧れの和婚、少しでも費用を抑えたいですよね。以下のポイントを意識するだけで、賢く節約が可能です。
お得なプランを利用する
衣装、美容、写真などがセットになった挙式プランは、個別に手配するより割安な場合が多いです。
仏滅や平日を選ぶ
結婚式の人気日である大安の土日を避け、仏滅や平日に挙式すると割引が適用されることがあります。
衣裳のランクを見直す
衣装は価格帯が幅広いため、予算に合ったものを選びましょう。色打掛を披露宴からにするなど、着用する着物の数を減らすのも一つの手です。
ペーパーアイテムや小物を手作りする
招待状や席次表、ウェルカムボードなどをDIYすれば、費用を抑えつつオリジナリティも出せます。
持ち込み料を確認する
外部のカメラマンや衣装を利用する場合、「持ち込み料」が発生することがあります。契約前に必ず確認しましょう。
和婚に興味がある方は、実際の衣裳や内容を直接確認できる、 「和婚フォト相談会」がおすすめです。
プラン内容の説明はもちろん、あなたのイメージに合わせた提案やお見積りも可能です。
初めての方でも安心してご相談いただけます。
結婚式の和装の種類と選び方
和婚の主役である婚礼衣装。花嫁・花婿それぞれに格式高い衣裳があります。種類ごとの特徴を知り、自分にぴったりの一着を見つけましょう。
花嫁衣裳の種類(白無垢・色打掛・引振袖)
花嫁の和装には、主に3つの種類があります。
白無垢(しろむく)
打掛から掛下、小物まで全てを白で統一した、最も格式高い婚礼衣装です。「嫁ぎ先の色に染まる」という意味が込められており、挙式で着用されることが多いです。
色打掛(いろうちかけ)
赤や金など、色鮮やかな織物や刺繍が施された華やかな衣装です。お色直しの定番で、披露宴を豪華に彩ります。挙式で着用できる神社もあります。
引振袖(ひきふりそで)
成人式で着る振袖とは異なり、裾を引いて着るのが特徴の振袖です。特に黒地のものは「黒引振袖」と呼ばれ、江戸時代の武家の正式な婚礼衣装でした。色打掛よりも動きやすく、モダンな印象になります。
花婿衣装の種類(紋付羽織袴)
花婿の正装は「紋付羽織袴(もんつきはおりはかま)」です。
黒の羽二重(はぶたえ)という生地で仕立てた着物と羽織、仙台平(せんだいひら)の袴を合わせるのが最も格式高いスタイルです。背中、両胸、両袖に計5つの家紋が入った「五つ紋」が正式とされています。
最近では、黒以外にも白やグレー、紺など様々な色の紋付羽織袴があり、花嫁の衣装に合わせてコーディネートを楽しむこともできます。
おしゃれな和装コーディネート(髪型・小物)
和装の印象は、髪型や小物で大きく変わります。伝統的なスタイルからモダンなアレンジまで、おしゃれなコーディネートのポイントをご紹介します。
髪型
伝統的な日本髪である「文金高島田(ぶんきんたかしまだ)」にかつらを合わせ、白無垢には「綿帽子」や「角隠し」を被るのが王道スタイルです。最近では、自分の髪で結う新日本髪や、洋髪に胡蝶蘭やドライフラワーなどの髪飾りを合わせるモダンなスタイルも人気です。
小物
胸元に差し込む「筥迫(はこせこ)」や「懐剣(かいけん)」は、花嫁の装いを引き締める重要なアイテムです。筥迫は江戸時代の武家の女性が使っていた化粧ポーチのようなもので、懐剣は護身用の短刀です。
ブーケ
和装には、手毬のような丸いフォルムが可愛らしい「ボールブーケ」や、扇子に花をあしらった「扇子ブーケ」がよく合います。
和婚ができる会場の種類と比較
和婚を挙げられる場所は神社だけではありません。それぞれの会場タイプの特徴を知り、自分たちの希望に合う場所を選びましょう。
会場タイプ別の特徴(神社・ホテル・専門式場・料亭)
神社
メリット:伝統的で厳かな神前式が挙げられる。緑豊かな境内など、ロケーションが美しい。
デメリット:披露宴会場が併設されていない場合、ゲストの移動が必要。天候に左右されやすい。
ホテル・専門式場
メリット:館内に神殿があり、挙式から披露宴まで移動なくスムーズに行える。設備が充実しており、ゲストも快適。
デメリット:本格的な神社に比べると、厳かな雰囲気がやや薄れる場合がある。
料亭・レストラン
メリット:料理にこだわりたいカップルに最適。アットホームな雰囲気で、ゲストと近い距離で楽しめる。
デメリット:挙式スペースがない場合が多く、近隣の神社と提携しているか確認が必要。
会場選びで重視すべきポイント
会場を選ぶ際は、以下の点をチェックしましょう。
アクセスの良さ
遠方からのゲストや年配の親族がいる場合、駅からの距離や駐車場の有無は重要です。
収容人数
挙式会場、披露宴会場それぞれに、招待したいゲストが全員入れるか確認しましょう。
挙式と披露宴会場の距離
神社で挙式後、別の場所で披露宴を行う場合、移動手段や所要時間を確認しておくことが大切です。
提携先
衣装店やヘアメイク、カメラマンなど、提携先がどこかを確認しましょう。持ち込みが可能か、その場合の持ち込み料も要チェックです。
【東京】和婚におすすめの神社・結婚式場リスト
東京には、和婚にぴったりの由緒ある神社や人気の結婚式場がたくさんあります。
明治神宮(渋谷区)
都心にありながら広大な緑に囲まれた、最も有名な神社の一つ。長い参道を歩む「参進」は圧巻です。
乃木神社(港区)
乃木坂駅すぐというアクセスの良さが魅力。モダンで洗練された和婚が叶います。
赤坂氷川神社(港区)
都の重要文化財に指定された美しい社殿が特徴。緑豊かな境内で落ち着いた挙式ができます。
椿山荘(文京区)
広大な庭園の中に独立型の神殿「杜乃宮」があり、挙式から披露宴までホテル内で完結できます。
八芳園(港区)
美しい日本庭園で知られる専門式場。挙式は園内の神殿または提携神社から選べます。
準備のダンドリと当日の流れ
和婚の準備は、洋風の結婚式と少し異なる部分もあります。スムーズに進めるためのスケジュールと、当日の流れを把握しておきましょう。
和婚の準備期間とスケジュール
一般的に、和婚の準備には約8ヵ月~1年ほどかけるのが理想です。
12~8ヵ月前
・両家への挨拶、結納・顔合わせ
・結婚式場・神社探し、情報収集
・ブライダルフェア参加、会場決定
7~5ヵ月前
・招待客リストアップ
・衣装選び開始
・前撮りの検討
4~3ヵ月前
・招待状の発送
・披露宴の料理、演出、装花などの打ち合わせ
2~1ヵ月前
最終フィッティング、ヘアメイクリハーサル
・席次表の決定、引出物の手配
1週間前~前日
・最終確認、謝礼の準備
・両親への手紙の準備
挙式当日のタイムスケジュール例
当日は慌ただしく過ぎていきます。事前に流れをイメージしておきましょう。
9:00 新婦支度開始(ヘアメイク・着付け)
10:30 新郎支度開始
11:00 親族紹介
11:30 挙式リハーサル、神殿へ参進
12:00 挙式開始(約30分)
12:30 挙式終了、集合写真撮影
13:00 披露宴会場へ移動
13:30 披露宴開始
和装での披露宴の流れとプログラム
和装での披露宴は、和の要素を取り入れた演出が人気です。
入場
番傘をさして入場したり、親御様と一緒に入場したりするスタイルがあります。
主賓挨拶・乾杯
最も格式の高い来賓(主賓)による冒頭のスピーチおよび乾杯の発声をいただきます。
鏡開き
「鏡は円満、開きは末広がり」を意味する縁起の良い演出。ゲストと一緒に日本酒を楽しめます。
ケーキ入刀
和風デザインのウェディングケーキや、大きなちらし寿司に入刀するユニークな演出も。
お色直し
白無垢から色打掛へ、または和装から洋装へのお色直しが一般的です。
各卓ラウンド
ミニ鏡開きや、だるまの目入れなどをしながら各テーブルを回ります。
花嫁の手紙・記念品贈呈
一般的な演出ですが、場合によってなくても問題ありません。
謝辞・退場
出席者への感謝を正式に伝えお開きになります。
ここまでご紹介したように、一般的な和婚には本格的な準備期間が必要になります。
一方で、「もっと手軽に、負担なく和装で挙式をしたい」「家族だけで静かに挙げたい」という声も増えています。
その想いに応える形で、ワタベウェディングでは "リトル和婚" をご用意しました。
規模は小さくても、気持ちはしっかり伝わる和の結婚式。
おふたりとご家族がゆっくりと特別な時間を過ごせる、シンプルで優しいプランです。
おしゃれな和婚の演出アイデア
定番の演出だけでなく、二人らしいアイデアを取り入れて、ゲストの心に残るおしゃれな和婚を創り上げましょう。
先輩カップルの和婚実例レポート
【Aさん夫妻の場合】
挙式:鎌倉の由緒ある神社で、親族のみの神前式。
披露宴:近隣の古民家レストランで、友人たちを招いたアットホームなパーティー。
こだわりポイント:席札に水引を使い、ゲスト一人ひとりにメッセージを。お色直しでは、お母様から譲り受けた振袖を引振袖として着用し、感動的なシーンに。
和の雰囲気を高める演出アイデア集
折り鶴シャワー
フラワーシャワーの代わりに、ゲストに色とりどりの折り鶴をまいてもらう演出。平和や長寿の象徴で、写真映えも抜群です。
水合わせの儀
新郎新婦それぞれの実家からくんできた水を、一つの盃に注ぎ合わせる儀式。異なる環境で育った二人が一つになることを象徴します。
だるまの目入れ
ウェディングケーキ入刀の代わりに、ゲストの前でだるまに目を入れます。ゲストに寄せ書きをしてもらうのも素敵です。
餅つき
ゲストにも参加してもらい、つきたてのお餅を振る舞う演出。会場が一体となって盛り上がります。
和装に合うブーケ・会場装花のデザイン
花は、会場の雰囲気を決める大切な要素です。
ブーケ
和装には、ピンポンマムやダリアなど、丸いフォルムの花を使ったボールブーケが人気です。竹や組紐など和の素材を取り入れるのもおしゃれ。
会場装花
芍薬、胡蝶蘭、菊、南天など、和のイメージが強い花を使いましょう。装飾に竹や和傘、扇子などを取り入れると、より一層和の雰囲気が高まります。
和婚を考えているならリトル和婚がおすすめ
和婚は、日本の美しい伝統文化の中で、夫婦の誓いを立てる神聖で厳かな結婚式のスタイルです。神前式、仏前式、和装人前式といった種類の違いを理解し、自分たちの理想や価値観に合ったものを選ぶことが、満足のいく結婚式への第一歩となります。
費用や衣装、会場選びなど、決めることはたくさんありますが、一つひとつ準備を進める過程もまた、二人にとってかけがえのない思い出になるはずです。
この記事でご紹介した情報が、あなたの素晴らしい和婚を実現するためのお役に立てれば幸いです。まずは気になる神社や式場のブライダルフェアに参加して、和婚の雰囲気を実際に体感してみてはいかがでしょうか。
和装が持つ奥ゆかしさと格式を大切にしつつ、必要なものだけを丁寧に選ぶという方には ワタベウェディングのリトル和婚 という選択肢もあります。
コンパクトながらも本格的な和婚が叶う注目のスタイルです。
