働くだけの場所ではない!女性目線でこだわり抜いたリゾート風オフィスが完成するまで

2017年11月に麹町へ移転したワタベウェディングの東京オフィス。移転の4カ月前に「ただの働く場所」ではなく社員が企業文化を感じながら働くことができるオフィスにしようとプロジェクトがはじまりました。私たちがどのような点にこだわったのか、そしてどのようなオフィスが完成したのかご紹介します。

働くだけのオフィスから、"企業文化やビジョンを伝えられる場所"へ

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▲ワタベウェディング新東京オフィスのエントランス

ワタベウェディング東京オフィスは、2017年11月20日に八重洲から麹町へ移転しました。

移転の理由は、ふたつあります。

ひとつは、当社が定める中長期経営ビジョン達成に向け、東京本部の機能強化を推進し人数が増えたことで発生した、オフィス内の作業スペースや会議室の空き不足という労務環境の問題を解決するため。

もうひとつは、長期的なブランディングの観点から、ただ「働くだけの場所」となっているオフィスを、「企業ブランドの一環」として捉え、当社の企業文化やビジョンを伝えていける場所にしたいという想いがあったためでした。

移転が決まったのは、2017年7月。移転予定の11月までおよそ4カ月という決して余裕のあるスケジュールではありませんでしたが、なかなか訪れないこの貴重な機会を大切に、こだわりを詰め込んだオフィスをつくりあげるべく、「オフィス移転プロジェクト」が発足しました。

"女性目線"を大切にしたオフィスづくりがスタート

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▲プロジェクトメンバーのミーティング風景

リゾートウェディングを販売している当社。部署によって、オフィスでの働き方や打ち合わせの相手もさまざまです。

そこで、移転プロジェクトメンバーは、偏りのないよう、人事、海外プロダクト(海外の挙式販売現場とともに商品造成を担当)、衣裳プロダクト(ウェディングドレス&タキシードの製造を担当)、マーケティング、広報......といったように、各部門から1名ずつ選出しました。

労務環境の改善は大前提として、オフィスのブランディングとしてのゴールをどこに定めるか。
プロジェクトメンバーで打ち合わせを重ねました。広報の加茂遥子はこう振り返ります。

加茂 「ウェディングという商材は、女性の夢・憧れが詰まったもの。そして、当社全体の女性比率は約 70%。必然的に "女性目線"は外せない、という意見にまとまっていきました。
さらに打ち合わせを進め、"女性目線"を取り入れつつ、事業ドメインである "リゾートウェディング"をデザインとして取り入れ、働く社員はもちろん、オフィスに来た方々全員に弊社の事業を感じ、知っていただこうという話になりました。また、ウェディング会社であるので、"フォトジェニック"じゃなければいけないよね、と話し合いが進んでいきました」

そうして決まったテーマがこちらです。

《 オフィスすべてがリゾートウェディングフォトスポット
~事業ドメインである"リゾートウェディング"をテーマとした『女性目線を取り入れたフォトジェニックオフィス』~ 》

加茂 「まずは、プロジェクトの女性メンバーだけで集まって、オフィスに取り入れたいモノやコトを出し合いました。実現可能性なども考えず、とりあえずわがままに(笑)。あとは、社内にいる女性たちにもヒアリングを重ねて、社員の女性の声を集めていきました」

さらに、女性が求めるオフィスについて、一般的な理解を深めたいと考え、「日経WOMANオンライン」と共同で、働く女性を対象に「働く女性のオフィス環境に関する調査」(計544名が回答)をおこない、その結果を新オフィスへ反映することになりました。

社員のこだわりがつまった新東京オフィスが完成

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▲植栽を多く取り入れ、ひとりになれる作業スペースや座り心地の良いデスクチェアにもこだわった。白やベージュを基調とした優しく温かみのあるオフィスに

新東京オフィステーマに沿って、プロジェクトメンバーのこだわりや、外部との調査データも参考に取り入れながら、4カ月に及ぶオフィスづくりを進行していきました。

そして完成した新オフィスから溢れ出る、こだわりの一部をお伝えします。

まずはリゾートを意識したデザイン。事業ドメインである"リゾートウェディング"を社員やオフィスに訪れた方々に体感いただけるようたくさんの観葉植物を取り入れ、ナチュラルな木のぬくもりを感じる明るいデザインにしました。

8つの会議室それぞれには、「ハワイ」「バリ」「沖縄」「京都」「ベトナム」「フィレンツェ」「パリ」といった、当社が世界各国でウェディングを展開しているエリアのテーマを設け、イメージに合った壁紙や家具が選ばれています。

つぎは、「働く女性のオフィス環境に関する調査」を基に女性目線を導入した数々のポイントです。

女性ならではの希望として、アロマを導入しました。

執務エリアにはリラックス・集中効果のある香り、会議室にはテーマのエリアイメージに合わせた香りをチョイス。効能がそれぞれ異なっているので、効能一覧を記載したボードもリフレッシュスペース(休憩室)に設けています。

ナチュラルな原料を使用した優しい香りは実は男性からも好評です。なかには「落ち着きたいからハワイの部屋に行ってくるわ......」といったように、効能を見て会議室選びをおこなう社員もいます。

また、リフレッシュスペースの充実に関してもこだわりが。女性のお昼休憩は「大人数で食べたい」「ひとりで食べたい」「決まった4人組で食べたい」など希望がさまざまでした。

そこで、十分なスペース確保はもちろん、多様な使用用途を考え、ひとりで食事できるカウンター席、ファミレス席、机が動き大人数にも対応ができるスペースなどを設け、それぞれのスタイルに合わせて過ごせるよう工夫しました。

さらに社員のこだわりとして、バージンロードをイメージしてデザインされた50名ほど収容可能なマルチスペースのセミナールーム、ドレス・タキシードさえ着用すれば記念写真の撮影が可能なフォトスポット、弊社の原点を忘れずにいるためのヒストリーボードや、立ち席・ひとり集中ブースも設置され、社員のこだわりがつまったオフィスが完成したのです。

移転後、新東京オフィスがもたらしたさまざまな変化

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▲コミュニケーションボードに記入をする社員。オフィス内でおこなうメディア取材も増えた

移転して1年以上が経過しました(2019年2月現在) 。移転してからの日々を振り返り、移転プロジェクトメンバーである人事の佐藤賢はこう言います。

佐藤 「この移転は採用活動において大変効果がありました。採用イベントなどをオフィス内のセミナールームでおこなえるようになりましたし、来ていただいた学生に対しても、胸を張ってこういった環境・空間で働くことができるんだよ、と伝えられます。また、事業ドメインを反映したオフィスになっているので、当社の事業イメージもより感じていただけるのではないかと思っています」

佐藤が言うセミナールームは、想定以上の稼働をしており、人事がおこなう採用イベントや研修以外にも、ドレスショー、社内大型勉強会、メディア記者発表、アナリスト向け説明会など、さまざまな用途で使用されています。

また、麹町オフィスに移ったこの1年間で、オフィスを用いたメディアイベントや、ロケ地としての使用が20件以上あり、オフィスの露出とともに、企業ブランドの刷り込み・価値の向上につながっています。

何より、従業員の働き方や意識にも変化がありました。

佐藤 「 ES調査を見ると、移転前後で、東京オフィスで働く社員の『職場環境』の項目が改善していて、従業員の満足度は確実に向上しています。『スムーズに会議をおこなえることで残業が減った』、『集中ブースで作業がはかどる』など、生産性が向上されたという声も聞かれます」
加茂 「ちょっとした打ち合わせができるスペースも新設されたことから、社員同士会話をする機会が増えました。また、全世界に展開する海外店舗とのテレビ会議をおこなうインフラも整理され、全社的にコミュニケーションが活発になったと感じています」

人が人に対しておこなうサービス業であるからこそ、社員間のコミュニケーションが重要です。
東京オフィスが変わったことにより、オフィスで働く社員同士のみならず、全国、そして全世界の仲間とのコミュニケーションが円滑におこなわれるようになり、社内の空気も良くなりました。

また、社員同士でもよく話すのは、オフィス内で働く人々の服装の変化。ウェディング会社としての意識が強まり、普段の身なりに、より気を使う人が増えたように感じます。

美しさや実用性だけではなく、事業ドメインの反映と、女性目線にこだわったワタベウェディングならではの新東京オフィスから、これからもさまざまな企画を生み出し、発信していきます。