全国のフォトグラファーが気軽にフォトウェディング事業をスタートできる『Dre-Smart』開発への想いを語る。

ワタベウェディングは、2021年11月、全国のフォトウェディングの撮影会社・フォトグラファーなどの事業者向けに、ウェディングドレスやタキシードの貸出しおよびお客様対応窓口を代行する、オンラインドレスレンタルサービス『Dre-Smart(ドレスマート)』を開始した。

コロナ禍でフォトウェディングの人気が高まりを見せる中、どのように『ドレスマート』が誕生したのか。そして、その魅力について、プロジェクトに参画したオンライン営業グループの柳島、そしてコンテンツ営業グループの上村にインタビューした。

10年後、20年後に写真を見て「よかったね」って2人で振り返っていただける。それがフォトウェディングの魅力。その非日常の演出に欠かせないウェディングドレスで撮影会社やフォトグラファーを支えるサービスでありたい。

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▲オンライン営業グループの柳島(左)とコンテンツ営業グループの上村(右)

2020年夏、コロナ禍で新プロジェクトが立ち上がる。「ウェディングドレスを着たいと思っている人が、あらゆる目的、あらゆるシーンで、好きなようにドレスを着てもらえるサービスを作りたい」という理念を掲げ、新サービスを開発することとなった。

このプロジェクトに参画した柳島がサービスを考案したきっかけは、コロナ禍におけるブライダルの需要の変化だったという。コロナ禍で、結婚式を断念してフォトウェディングに切り替える人や、フォトウェディングだけでよいと考える新郎新婦が増えたことで、フォトウェディングの人気が高まった。新たにフォトウェディングを始める撮影会社も増えたが、フォトウェディングの事業を始めるには課題もある。

柳島「フォトウェディングに参入したい企業が増えても、衣裳を持っていない撮影会社や衣裳セールスのノウハウを持っていない撮影会社が多いのではないかと考えました。また、衣裳を持っている撮影会社でも、衣裳の管理やメンテナンスは大変だという声がたくさんありました。そこで撮影会社やフォトグラファー向けに衣裳を貸し出し、かつ、顧客対応を弊社で完結できる『ドレスマート』のようなサービスが、今市場で必要とされているのではという結論に至りました。」

また、同じくプロジェクトに参加する上村は、昨年6月に展示会に出展した際、"『ドレスマート』のようなサービスがあれば使いたいか?"というヒアリングを企業カメラマンやフリーカメラマンの200名に実施した。

上村「"今すぐにでも使いたい"、"早くサービスを開始してほしい"というお声を多くいただきました。そういったお声もあり、想定より3~4か月早い去年11月にローンチしました。」



サービスの魅力は、事業者は仕入れや投資をすることなくフォトウェディング事業に参入でき、お客様は好きな時間に衣裳を取り寄せ、希望の場所で利用できること。

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▲『ドレスマート』のお客様専用WEBページ

「ドレスを持っているけれど婚礼用なのでフォト用ドレスが欲しい」というニーズや、「全くドレスを持っていないので、ドレスを貸してほしい」というお客様のニーズがあるなか、『ドレスマート』を利用することで、事業者は仕入れや投資を全くせず、事業展開ができるというメリットがある。そして、婚礼衣裳事業に65年以上携わるワタベウェディングだからこその、事業者の立場に立ったきめ細かいサービスにこだわっている。

上村「利用頂く際に、衣裳の置き場所、撮影日と衣裳利用日の調整などの確保や顧客対応の負担が減るので、業務効率化のサポートができることが最大の魅力だと思います。撮影業者は『ドレスマート』をお客様に紹介していただいたら、他は何もすることなく本番の利用まで迎えられます。また、衣裳のレンタル料金設定を一律にして分かりやすくしていますが、お客様への上代設定は自由なので事業者の収益確保のお手伝いができるよう工夫しました。他にも、今は屋外撮影をするロケーションフォトが中心なので、衣裳の汚れや破れに対する安心保障制度を採り入れて、撮影時の不安を払拭しています。当社はクリーニングセンターを自社で持っていますので、汚れに対する知識や知見は非常に多く、そのあたりのサポートができるところも他社のレンタル事業者との違いです。」

『ドレスマート』はオンラインで完結できるサービスなので、事前の試着は、自分の好きな時間に衣裳を取り寄せ、好きな時間に返却できる。基本的にファスナータイプのドレスを採用しており、自宅で一人でも試着が可能だ。また、ロケーション撮影時に映えるような、風になびくような動きの出るドレスを取り扱うなど、フォトウェディングの最新トレンドに合わせた衣裳をそろえている。リゾ婚やフォトスタジオで提供しているワタベウェディングのドレスとは別ブランドとして展開し、このサービスでしかレンタルできないオリジナルラインナップである。さらに、ラインナップ数には、衣裳を楽しく選んでほしいといった想いが反映されている。

柳島「始めはドレスの型数を4、5型からでも始めようといった声もあったのですが、新婦様がサイトを見たときに「どのドレスにしよう?」と楽しく選んでいただける数ってどのくらいなんだろう?と考えました。現在弊社のHPに訪れられているお客様は、約8割がスマホをご利用されていているのですが、その傾向を考えると、スマホからドレスマートのサイトを見てお客様がワクワクする数は視覚的にどのくらいだろう?ということを考えたり、ある程度の数をご用意することで新婦様が新郎様と「こういったドレスどう?こっちの方が良いかな?」という会話が生まれ、撮影までの過程も楽しんでもらいたいという想いを込め、最低でも12型は欲しい!という結論に至り、当初の予定よりも多くの型数を揃えてリリースに至りました」



様々なクライアントからの意見を反映し、手頃な価格と品質を確保しながらサービスを進化させていく「ドレスマート」。今後はラインナップやサイズの展開の拡充も。

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▲『ドレスマート』の衣裳ラインナップ一部

2021年11月にローンチし、告知はそれほどしていないが、現在の利用事業者は10社以上に伸びている。想定外だったのは、衣裳会社が、サイズ展開やデザインの幅を広げたいという理由でドレスマートを利用していることだという。

上村「今ドレスマートでは、スレンダーでインポート風ドレスのラインナップをそろえています。そのようなタイプのレンタルドレスはあまり市場に出回っていないので、大手のリース会社の既存衣裳ではニーズに応えられず、衣裳持込みになることが多いそうです。その課題解決として当社のドレスがマッチするので借りたいという要望がありました。」

当初の想定を超える様々なクライアントに対応し、トライアンドエラーを繰り返し、視野を広げながらサービスを作っていくプロセスには、困難も伴ったがやりがいも感じたという。

上村「営業現場では、始まったばかりのサービスなので、クライアント様からの理解をなかなか得られないこともあります。もっとこうしたほうがいいのではないかという指摘を受けることもあれば、「こういう風に作っていってよ」と優しくサポートしてくれるクライアント様もいて、色んな方のご意見をいただきながら作っていくことが難しい点でもあり、楽しみでもあります。今後はやはりより多くのお客様にご利用いただけるために、ラインナップ数とサイズ展開を更に増やしたい。」



あらゆる目的、あらゆるシーンでドレスが着られる時代を創りたい。

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衣裳を必要としている人に衣裳を届けたいという想いから立ち上がったプロジェクト。だからこそ利用の目的は限らず、ソロウェディングの方やLGBTQの方など、より多くの人に衣裳を貸し出せるサービスにしていきたいと柳島は考える。

柳島「昔は"ウェディングドレスは結婚式で着るもの"といったドレスに対する固定概念がありましたが、今はウェディングドレスを気軽に、様々な目的で着たい方が増えているのではと思っています。そして、ウェディングドレスを選ぶ手段も今後は変わってくるのではないかと思っています。今は店舗に行って、スタッフに着せてもらい、髪の毛もセットしてもらってドレスを決める、というスタイルが王道ですが、ウェディングドレスを自宅で簡単に、気軽に着て決めるような時代も来るのではないかと感じています。さらに、こうしたニーズはオンラインとの相性が良いと感じます。今後はラインナップやサイズの展開を増やし、すべてのお客様にフィットするようなサービスにしていきたいです。」



フォトウェディング事業への挑戦のハードルを下げ、フォトグラファーに収益を上げられる事業としてほしい。

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上村は「ドレスマート」の利用を検討する事業者の方へ、こう伝えていきたいという。

上村「どんなフォトグラファーや事業者でも気軽にフォトウェディングにチャレンジして頂き、収益を上げられるように、皆様をサポートするサービスとなっていますので、たくさんの事業者の方にぜひドレスマートを利用いただきたいです。」