「お客様への誠実な想いを持ち、当たり前を打破していく」ワタベに息づくDNA

ワタベウェディングはひとりの女性が営む小さな衣裳店から始まりました。「ひとりでも多くの人に、美しい門出の日をご提供したい」そんな彼女の人を想う気持ちと、ハワイウェディング市場の開拓を皮切りに、業界に数々の改革を巻き起こしてきたチャレンジ精神は、ワタベウェディングのDNAとして受け継がれています。

ワタベウェディングは、ひとりの女性のボランティア精神からはじまった
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▲1953年創業「ワタベ衣裳店」

ワタベウェディング株式会社のはじまりは、1953年に創業した京都の小さな衣裳店「ワタベ衣裳店」です。戦争が終わり、復員兵が次々と帰国する中、戦時中結婚できなかった若者たちを中心に、一大ブライダルブームが起こりました。

「貧しい中でもせめて花嫁衣裳は着せてあげたい」「写真のひとつでも残しておきたい」という花嫁やご両親の想いが募る中、戦争の影響もあり肝心の"晴れ着"がなく、結婚式を行えない方々が大勢いらっしゃったそうです。

そこで、相談を受けた創業者の渡部フジは、自身の婚礼時の花嫁衣裳を「喜んでいただけるのなら」と無償でお貸出しをすることにしました。

「花嫁衣裳を貸してもらえる」そんな噂は町中の評判となり、一着では間に合わず、フジは親戚や友人にまで協力を求め、多くの振袖を用意しました。

そんな善意のボランティアを続けること8年。より多くの方に衣裳をご提供できるようにするため、1953年に、ワタベ衣裳店は創業の日を迎えました。

創業者である渡部フジの「ひとりでも多くの人に"美しい門出の日"をご提供したい」という想いから始まった当社。この"人を想う気持ち"は、今も社員一人ひとりにワタベウェディングのDNAとして受け継がれ続けています。

ブライダル業界の常識を覆した革新的出来事 ハワイ・ホノルルへの進出
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京都にある小さな衣裳店が、なぜリゾートウェディング最大手として成長したのか。

そこに隠されたストーリーに、ワタベウェディングのもうひとつのDNAがあります。

「ハワイで結婚式をするので、衣裳を長期間貸してくれませんか?」

ある日、ワタベ衣裳店にそんなご要望のお客様が来られました。珍しいお客様だな、と思っていたところ、その月、偶然同じようにハワイ挙式のため長期貸し出しを希望されるお客様が2組いらっしゃったそうです。

"2組"という数字自体は見逃してしまいそうな小さなものですが、京都のひとつの町で、この人数の需要があるのであれば、日本全国でハワイ挙式を行うカップルは1000組ほどいるのではないか、と推測しました。

「推測通りのカップルがいるのであれば、ハワイに衣裳店を構え、現地で衣裳のお貸出しを行うというビジネスも成り立つ。そして、お客様にとっても、長期間のレンタル料金をお支払いいただく必要がなくなり、負担金額を国内とほぼ同額にできる」

そうして、「ホノルル店」オープンに向け、ワタベウェディングは動き出しました。

日本の海外渡航自由化は1964年。海外への憧れが富裕層中心に広がる中、今と変わらず、ハワイは"一生に一度は行ってみたい夢の国"。大手企業は、ハワイへの渡航をプレゼントにしたキャンペーンなどを打ちました。

次に海外旅行のブームを巻き起こしたのは、1970年のジャンボ機(ボーイングB747型機)の就航。高額な旅行代金が大幅に引き下げられ、特別なものだった海外旅行への門戸が少しずつ広げられていきました。

「海外旅行客がまさにこれから膨大に増えていく」そんな時代であった1973年に、ブライダル企業としていち早く、ハワイ・ホノルルに店舗をオープンし、リゾートウェディング事業を切り開くこととなりました。そして、当初の目論見通り、初年度約1000組の成約実績をあげたのです。

このストーリーからも読み取れるワタベウェディングのもうひとつのDNAは、課題を発見すれば、常識を疑い、何かしらチャレンジする精神。そんな"当たり前"を打破する姿勢にあります。

「販売ドレス」の一般化で、ブライダル業界にさらなる革新を巻き起こす
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▲1993年2月 中国・上海市に設立したウェディングドレス製造子会社「華徳培婚紗(上海)有限公司」

もうひとつ、ワタベウェディングのDNAを象徴する出来事をご紹介します。

それは、1993年にウェディングドレス製造子会社「華徳培婚紗(上海)有限公司」を設立したこと。今では多くの方が選択される「販売ドレス」を普及させることとなった、業界として革新的な出来事でした。

当時はウェディングドレスといえば、レンタルが常識。しかし、レンタル衣裳には、複数回の使用による衣裳の摩耗、サイズの不一致など、解決できないジレンマがありました。

「すべてのお客様に、まっさらで、体型に合ったドレスを着ていただきたい」という、お客様を想う気持ちから、自社製作にこだわり、当時ではあまり例のない"販売ドレス"を推し進めていきました。

数多くの失敗を重ねながらも、自社だけで受注から製造の拡大を図っていくことを目指し、下請け・孫請けに頼らない上海での大型直営工場設立、販売用ドレスサロンの全国展開を進めていったのです。製品の企画から製造・販売までのプロセスを一貫して社内でまかなうことで、高品質を維持しながら、短納期でのお届けを可能にしました。

上海ドレス工場は、その後もベトナムに拠点を移しながらも、これまでに約36万着の衣裳を作成。お客様一人ひとりに合わせた世界にひとつだけの衣裳を、レンタルと大きく変わらない金額でご提供しています。

企業DNAが社員一人ひとりに息づく当社が次に目指すものとは......

先人達が残してきたDNAは受け継がれ、今も当社では、お客様の想いを第一に新たなチャレンジが続いています。

そのひとつとして、アジア市場へのチャレンジがあります。

直近では、2019年1月より、リゾートウェディング商品の充実を図り、ベトナム・ダナンでのウェディングを開始しました。ウェディング実施地としては実績の少ないエリアではありますが、国内最大級の旅行情報サイト「Travel.jp(トラベルjp)」の「旅の専門家として2018年にくる海外エリア」1位を獲得し、US版フォーブス誌が選ぶ「世界の綺麗なビーチ6選」に選ばれた「ミーケビーチ」を持つなど、観光地としての急成長が期待されている注目のエリアです。

日本においても、渡航時間が5時間半という利便性の高さや、親日的なベトナムの国民性や治安の良さから、渡航者数は2016年の8万人から2017年には12万人と増加しています。このような状況の中、ダナンにおけるリゾートウェディングの大きな発展性を見込み、定番のハワイやグアムとは違う東南アジアの魅力を堪能できる、ほかの人と被らない新しいリゾートウェディングとして挙式商品の販売を開始しました。

さらに、新たな挑戦は商品だけではなく、その販売方法にも。2018年11月からスタートした「リゾ婚オンラインカウンター」は、自宅にいながらウェディングプランナーと挙式相談ができるWebサービスです。

近年「近くに店舗がない」「子どもが小さくて外出するのが難しい」「忙しくてパートナーと予定が合わない」などの理由から、店舗へ挙式の相談に行きたいけど行けないというお悩みを持つお客様が多くいらっしゃいます。そんなお客様のお悩みやニーズにお応えするため、来店せずに自宅にいながら、店舗と同様の接客サービスをご提供しようと始めました。

さらにこの取り組みは、お客様の満足度を向上させるだけではなく、人材雇用の面でも挑戦があります。ウェディング業界は女性の就業者が占める割合が高く、結婚や出産で退職する人も多いことから、人手不足が問題になっています。

「リゾ婚オンラインカウンター」は、接客を行うウェディングプランナーが在宅で業務できる制度を設け、ライフスタイルの変化からプランナーとして働くことが困難となった人材の再雇用につなげています。ウェディングプランナーには多くの知識が必要で、接客を行えるようになるまで時間がかかりますが、専門知識と経験を持った元プランナーであれば、即戦力で活躍することができます。

当社はこれまで息づくDNAを大切にしながら、「多様な挙式スタイルを創出・実現するグローバル企業」として確立し、引き続き、業界をけん引するさまざまな施策にチャレンジしていきます。